7つの対策で眠い会議も眠くならない!集中力を保つ方法
会議は短時間で集中して効率良く、というのが理想です。ところが、現実にはなかなか上手くいきません。
「これだ!」という決め手となる意見が出ない場合には、場の空気は重くなるばかり。ついウトウトと眠くなってしまい…といった経験を持つ人は、多いのではないでしょうか。会議の時間が有意義なものになるよう、これから眠気を払拭する方法を一緒に考えてみましょう。
日中に眠くなってしまうのはなぜ?
脳と睡眠には、「オレキシン」という脳内物質が大きく関わっています。オレキシンとは、脳の視床下部にある摂食中枢から分泌される神経伝達物質のひとつで、睡眠にも大きく関わっていることが判明しています。
オレキシンの量が多い時には覚醒状態となり、反対に分泌量が減ると眠くなりやすい性質を持ちます。よく、「昼食後に眠くなる」と言われるのは、この物質が作用しているためです。 空腹時には、オレキシンを活性化させる「オレキシン作動性ニューロン」という物質が活発に働き、オレキシンの分泌を促します。しかし、食事をして空腹が満たされると、ニューロンの活動が低下するため、オレキシンの分泌量も減少し、眠気へとつながります。
オレキシン以外にも、酸素量も眠気に関係があります。
脳に送られる酸素量が不足すると、眠気が誘発されたり、集中力の低下につながったりすることがわかっています。疲労や血行不良、オフィス内の換気が不十分なために、二酸化炭素の濃度が高くなると、酸素不足となり、眠気につながります。
会議で眠くなった経験を持つ人は約8割!
「ポストイット」で知られる、スリーエムジャパン株式会社が、2016年10月に行った調査によると、会議に参加した人の77.5%、実に約8割もの人が「会議中、眠くなった経験がある」そうです。中には「会議中は、どれだけわからないよう居眠りするかに心血を注ぐ」という、困った人もいるとか。本来クリエイティブな時間であるはずの会議が、休憩時間になってしまうというのは本望ではありませんね。
会議中の眠気を撃退するためには、いくつか方法があります。まずは、眠気を事前準備によって回避する「予防法」を挙げてみましょう。
【対策1】食事の内容とタイミングを考える
「午後イチから会議」という時には、ランチにも気を使いましょう。白米やうどん、菓子パン、さらにスイーツなどは、血糖値が上がりやすく、それが眠気の元になります。
一方、血糖値が上がりにくい食品としては、玄米、そば、全粒粉やライ麦のパン、春雨などがありますので、上手く取り入れていきましょう。
【対策2】暖房のきかせすぎに注意
特に冬場の会議では、必要以上に暖房をきかせてしまうことがあります。主催者の気配りではありますが、暖かな部屋では眠気も引き起こされがちなので要注意です。部屋が暖かすぎる場合には、上着を脱ぐなどして調整できるよう、服装にも気を配りましょう。
【対策3】ごく短時間の睡眠をとる
近年、昼寝の効用が見直されています。日頃から睡眠不足気味なら、仮眠をとるのもおすすめです。休憩時間や仕事の合間に、5~10分程度、ごく短時間の睡眠を挟んでみましょう。これだけでも、頭がずいぶんスッキリします。
それでも眠くなったらどうするか?
会議前の予防策3つを実践してみたけれど、それでも眠くなってしまった!という場合には、次の4つも試してみてください。
【対策4】眠気防止アイテムを使う
ミント系など、刺激の強いタブレット菓子をポケットに忍ばせておき、会議中にウトウトしてしまったら、こっそりと口に運びましょう。ガムは口の動きでわかってしまいますが、タブレット菓子なら周囲に気付かれないでしょう。
さらには眠気覚ましの定番中の定番、「目薬」を持参しておくのも良いですね。クールタイプの目薬をそっとさせば、眠気で落ちかけていた瞼もシャキッとするに違いありません。
また、トイレ休憩などの時間を利用して、歯磨きをすることもおすすめです。ミント系やクール系の歯磨き粉を使えば、口内がスッキリとして良い気分転換になります。
【対策5】眠気をさますツボを刺激する
中指の爪の生え際付近(人差し指側)にある「中衝(ちゅうしょう)」、手のひらのほぼ中央の「労宮(ろうきゅう)」、手の甲側にある親指の付け根「合谷(ごうこく)」などが、眠気に効くツボです。ツボ押しなら、会議中でも誰にも気付かれることなく眠気覚ましができます。
また、眠気覚ましには耳に刺激を与えるのも効果的です。耳には多くのツボが集中しているので、少し強めに、上下左右にぎゅーっと引っ張るようにすると、頭がスッキリしますよ。
【対策6】顔を洗う、軽い体操などでリフレッシュする
長時間に及ぶ会議では、途中で休憩を挟むことがあります。この時こそ、眠気覚ましの絶好のチャンスです。軽く体を動かしたり、刺激を与えたりして気分転換をすることで、会議の後半戦に備えることができます。
顔や手を洗う
一番手っ取り早くて即効性のある方法が、洗顔や手洗いです。ぬるま湯よりは少し冷たいと感じるくらいの方が、触覚刺激を受けて眠気が飛びやすいでしょう。
首などを冷やす
眠たくなる時は、副交感神経が優位に働いている状態です。交感神経を優位に立たせるためには、太い血管が通っている首や脇の下などを冷やすことがおすすめ。冷却シートを貼ったり、ハンカチに包んだ保冷材を当てたりすると、眠気が徐々に引いてくるでしょう。
軽く体を動かす
休憩時間があれば、軽い体操などするのも良いでしょう。じっと座っていると、腰や背中、首回りがこり固まり、血流も悪くなってしまいます。
休憩がとれない場合は、机の下で足を数回曲げ伸ばししたり、上半身をぐっと後ろに反らせて肩甲骨を広げる動作をするだけでも、体がしゃっきりします。
会議中にそんなに動けないという場合は、深呼吸がおすすめ。数秒かけて息を深く吸い込み、数秒間ストップ、その後ゆっくり吐きだすことを何回か繰り返します。
【対策7】コーヒーや紅茶を飲む
こちらも、眠気覚ましの定番です。コーヒー・紅茶・緑茶などには覚醒作用のあるカフェインが多く含まれています。会議中にドリンクを飲むなら、眠気覚ましに役立つカフェイン入りのものをチョイスすると良いでしょう。
積極的に発言することで、眠気を解消!
前述したスリーエムジャパンの調査では、「会議中に眠気を感じた」人のうち、その会議で「発言する」と答えた人は、全体のおよそ5割でした。一方、「会議中に眠気を感じなかった」人のうち、その会議で「発言する」という人は約9割にも上ったのです。
つまり、会議で自ら発言をすると、眠気を感じにくくなる、というわけです。
会議で発言するということは、反論や質問が飛んでくる可能性も高いので、緊張感を持って参加することができます。会議に慣れていないころは、発言となるとつい尻込みしてしまうもの。上司が同席している会議では、なおさらでしょう。しかし、会議に招かれるということは、何らかの発言を期待されているということでもあります。
会議では、発言をするなどして積極的に参加し、「眠くならない会議」になるよう努めましょう。
進行役の不手際が、会議を眠いものにする
前項までは、会議の参加者の視点から、会議中の眠気予防法を挙げてみました。しかし、会議が眠くなる根本的な原因は、進行役・司会役の力量不足、手際の悪さから発生している可能性も否定はできません。
会議は、準備段階から始まっています。何のために何を議論するのかが明確でないと、参加者は意見を出しにくくなりますし、議題に関連の薄い人を参加させても、話すことがないでしょう。
また、会議の進め方にも、たくさんのルールやマナー、テクニックがあります。ここで詳しくは紹介しませんが、会議の進行役を任された場合には、話が脱線しそうになった際の方向修正や、全員が参加できるような雰囲気の演出、発言を促すための質問の仕方など、さまざまな工夫が必要です。
進行役の手際の良さと、参加者の積極的な発言で、会議の時間を有意義なものにしていきましょう。どうしても眠くなりそうという場合には、上記の対策を思い出し、ぜひ試してみてくださいね。